海外企業の発票取得
海外企業名義で中国の発票を依頼する際の購入者情報、税務番号欄の扱い、原本の受け取り方と発票・発行会社の確認方法を解説します。

カバーは請求書類と旅行用品を描いた AI 生成のイラストです。実際の発票ではありません。
中国での購入後、経理から会社名義の請求書を求められました。販売者に依頼すると、宛名と税務番号を聞かれます。自社には本国の登記名と税務識別番号はありますが、中国の統一社会信用コードはありません。必須に見える入力欄で手続きが止まってしまいます。
海外の顧客が発票を受け取るために、必ず中国の企業コードを持つ必要があるわけではありません。上海税務当局の説明では、国外顧客について購入者の税務識別番号を省略できるとされています。次に確認すべきなのは、実際の購入者、必要な書類、そして販売者側での海外顧客の登録方法です。
本記事では、中国本土の事業者が発行する書類を扱います。海外企業からの依頼を、最初の連絡から経理への引き渡しまで順に説明します。中国の税務上の発票、輸出用のコマーシャルインボイス、従業員の経費精算資料は用途が異なるため、入力前に目的を整理しましょう。
最初に購入者を決める
三つの取引を考えます。海外企業が中国本土の会社から直接サービスを購入する場合、出張中の従業員が商品の代金を立て替える場合、中国子会社が事務用品を購入する場合です。同じ企業グループに関係していても、購入者や請求先情報まで同じとは限りません。
購買担当者に、どの法人を宛名にするべきか確認してください。その法人の正式な名称を、自社の記録どおりに伝えます。従業員名、プロジェクト名、グループのブランド名は別の情報です。入力しやすい中国の税務番号があるという理由だけで、中国子会社を購入者にしないでください。
| 購入の状況 | 確認する内容 |
|---|---|
| 海外企業が直接契約する | 正確な法人名、販売者による海外顧客の登録方法、必要な書類。 |
| 従業員が会社のために支払う | 勤務先の経費精算要件と、書類に記載すべき実際の購入者。 |
| 中国本土の子会社が発注する | その子会社自身の登記名と、適用される購入者識別情報。 |
確認した内容は注文記録と一緒に保存します。契約当事者が変わる場合は、別名義の発票を求める前に販売者と変更を整理してください。後の事務処理を便利にするために、実際に商品やサービスを購入した主体を分からなくしてはいけません。
購入者の税務番号欄
中国語の 发票抬头 は発票に記載する宛名を意味します。纳税人识别号 は納税者識別番号です。二つは別々の項目であり、会社名を提示できることと、中国の税務番号を持つことは同じではありません。

上海の説明は、通常の企業購入者に関する規定と、国外顧客の扱いを区別しています。後者については購入者識別番号を記載しなくてもよいと明示しています。ただし、これは発票の項目に関する説明であり、すべての店の購入フォームに同じ海外顧客向け選択肢があるという意味ではありません。
サイトが固定桁数の中国コードを必須にしている場合は、販売者の発票担当に連絡してください。購入者は海外で登記された企業で、中国の USCC を持たないと伝え、発行手続き上の登録方法を確認します。入力チェックを通すためにゼロを並べたり、仕入先や無関係な中国企業のコードを借りたりしてはいけません。
本国の税務番号は、販売者の顧客情報として必要になることがあります。求められた場合は国名と用途を添え、中国の識別番号とは明確に区別して提示します。無理に 18 文字へ変換したり、「税務番号」という欄なら各国の形式がすべて使えると考えたりしないでください。
販売者から英文会社名の確認や発票の送付先を求められることもあります。実際の依頼内容に答え、購入者情報を一貫させましょう。従業員が連絡を担当する場合は、法人の情報と担当者個人の連絡先を区別します。
用途に合う書類を選ぶ
貨物が国境を越える場合は、通関業者や出荷担当者に必要な商業書類を確認してください。米国国際貿易局のコマーシャルインボイスの説明は、通関での役割と仕向地ごとの要件確認を案内しています。中国の発票が、この出荷書類を一律に代替するわけではありません。
中国国内での購入では、経理が注文記録と支払証明に加えて、販売者の発票を必要とすることがあります。その希望を具体的に伝えてください。単に「invoice を送ってください」と頼むと、経理が発票を想定していても、見積書、領収書、商業送り状が届く場合があります。
増値税専用発票を指定された場合は、販売者へ伝える前に用途と購入者を確認します。海外の親会社、中国本土の子会社、従業員を受取主体として自由に入れ替えることはできません。普通発票と専用発票の比較で種類の違いを説明していますが、種類を選ぶだけで税額控除や還付の権利が確認できるわけではありません。
依頼では注文、購入者、書類の用途を示し、その取引に適法な形式を発行者に説明してもらいます。経理が別途英文の商業送り状を必要とするなら、中国語の税務書類を書き換えさせるのではなく、別の書類として依頼してください。
依頼文の例
以下は、海外企業が中国本土の事業者から直接購入する場合の例です。角括弧の内容を置き換え、不要な部分を削除してください。公式の申請書ではなく、すべての海外取引に同じ発票が必要という意味でもありません。
注文[参照番号]の発票について確認をお願いします。購入者は[海外企業の正式名称]で、[国名]に登記されています。中国の統一社会信用コードはありません。[用途]のために[必要な書類]を希望します。必要な購入者情報、発行会社、電子原本の受取方法をお知らせください。フォームで中国の税務番号が必須となる場合は、海外顧客の登録方法をご案内ください。
販売者が取引を特定しやすくなる場合は、注文確認書を添付します。会社名と注文番号で足りるときに、パスポート全体、銀行明細、無関係な企業資料まで送る必要はありません。追加資料が必要なら、具体的な情報を確認して、販売者の通常のサポート窓口を利用してください。
再発行や訂正に同意する前に、提案された購入者名を最初の依頼と照合します。小さな綴りの誤りと、別法人への変更では対応が違います。訂正は発行者に依頼し、自分で PDF を編集して正式な発票として扱わないでください。
完全なファイルを受け取る
電子原本がある場合は、それを依頼します。メッセージアプリのスクリーンショットでは、表題、購入者欄、合計額が切れたり、圧縮によって識別番号が読めなくなったりします。原添付ファイルを保存し、注釈や翻訳には別のコピーを使いましょう。
電子発票の受取方法は発行者によって異なります。実例として、AWS 中国のデジタル発票ガイドでは PDF、XML と簡素化された項目が説明されています。これは同社側の運用例であり、すべての商店が同じ形式やダウンロード画面を使うという保証ではありません。
送付メールと発票も役割が異なります。メールは添付ファイルの入手元を追う助けになり、発票の会社名は書類に記載された販売者を示します。注文番号や訂正内容を説明するメールは、ファイルと一緒に保管してください。

書類の中国語会社名は正確に残します。英語での説明が必要なら、置き換えずに横へ添えます。英訳したブランド名は会話に便利でも、登記情報の検索で企業を特定できるとは限りません。
発票と発行主体を確認する
最初に購入者欄を読み、自社と今回の取引に関する発票か確認します。その後で販売者欄を別に確認してください。購入者の識別番号、販売者の識別番号、発票番号は異なります。取り違えると、別の会社や書類を調べることになります。
- 購入内容を照合する。購入者名、商品やサービス、日付、通貨、合計を注文と比較します。一回の支払いが複数の購入に対応していれば、書類も複数必要な場合があります。
- 対応する発票を照会する。ChinaValidate 発票照会で、実際の票種に必要な項目を入力します。増値税発票の照会ガイドで詳しい手順を説明しています。
- 販売者を特定する。発行企業を調べる場合は、販売者の中国語正式名称と企業コードを企業検索で使います。海外の購入者を中国本土の仕入先として検索しないでください。
発票記録が一致しても、すべての問題が解決するわけではありません。商品の品質、社内の経費精算基準、本国での税務上の控除まで確認できるものではありません。実際に成功した照合を記録し、残る会計上の判断は担当者に確認します。
発行会社が想定した販売者と異なる場合は、関係と取引上の理由を説明してもらいます。プラットフォームのブランド名、店舗名、法人名が違う場合はありますが、その違いを理解する必要があります。解決するまで元の名称を残してください。
経理に使える記録を渡す
発票原本、注文番号、提供した購入者情報、発行者の必要な説明をまとめて渡します。照会した場合はその結果も加えます。短い英語のメモで中国語書類を説明できますが、元の項目は変更しません。
確認済みの事実と未解決事項は分けましょう。「購入者名は当社の海外法人と一致。税務番号欄が空欄の理由は販売者の返信で説明済み。発票照会では一致する記録を確認」のような記録は、「すべて有効」より役立ちます。それぞれの記述には実際の根拠が必要です。
訂正待ちなら問題を具体的に書き、原本も保存します。経理は、遅れの原因が綴りの誤り、発行主体の不明点、書類種類の違いのどれか判断できます。企業検索を繰り返しても購入者名は直らず、発行企業の対応が必要です。
書類が目的の購入を示し、企業情報が整理され、経理に必要な原本がそろえば依頼は完了です。海外企業を中国の税務番号欄に無理に当てはめるより、最初に購入者を確認する方が混乱を防げます。