中国企業の銀行口座証明書類
旧来の口座開設許可証、基本預金口座情報、銀行発行の証明書を区別し、公式の空欄様式で口座項目と企業名の確認方法を解説します。

仕入先から「新しい口座開設許可証は出せない」と言われ、代わりに基本存款账户信息という短い中国語の書類が届くことがあります。書類が変わっただけで、問題があるとは限りません。中国の企業銀行口座改革で、従来の許可証制度が廃止されたためです。
確認すべきなのは、受け取った書類の種類と、そこに記載された口座です。旧来の開設許可証、基本預金口座情報、銀行が発行する証明書は、それぞれ別の書類です。どれか一つだけで、今回の支払指示が正当に承認されているかまですべて分かるわけではありません。
本記事では、中国本土の企業口座に関する書類を扱います。中国語の項目名、銀行口座番号と管理番号の違い、照合できる企業情報を説明します。非公開の銀行口座名義を一般向けに検索する方法ではありません。
口座開設許可制度の変更
中国人民銀行は2019年に企業銀行口座制度を改革しました。対象企業の基本口座と臨時口座の手続きは、認可制から届出制に移行し、従来の口座開設許可証は発行されなくなりました。変更内容は、公式の2019年通知と口座管理規則に記載されています。
実施は段階的でした。中国銀行の2019年2月の公告では、江蘇省・浙江省への拡大と、同年中にほかの地域へ広げる予定が説明されています。古い記事にある地域別の開始日を、中国全土で一斉に始まった日として扱わないでください。

当時の英語解説も、歴史的な背景として読むなら役立ちます。例えばChina Briefingの2019年5月の記事は、北京・上海での導入を説明しています。古い仕入先登録チェックリストが、新設企業には取得できない許可証を今も要求する理由を理解できます。
この改革で銀行の本人・企業確認がなくなったわけではありません。人民銀行の規則は、企業資料や口座開設意思の確認を銀行に求めています。「許可証は廃止された」という説明は書類形式についての回答です。指定口座や支払指示まで自動的に正しいことにはなりません。
区別したい3種類の書類
| 書類 | 記載の対象 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 开户许可证 — 口座開設許可証 | 従来の認可制度に基づくもの、または企業改革の対象外の名義人に関するもの。 | どの主体・口座の写しか、発行日はいつか。 |
| 基本存款账户信息 — 基本預金口座情報 | 企業の基本預金口座を識別する情報。 | 今回の取引に関係する口座が記載されているか。 |
| 銀行発行の口座証明書・確認書 | 記名された銀行が実際に証明する事項。 | 何を、いつの時点で確認しており、書類をどう照会できるか。 |
最後の種類には、共通の英語名称や統一様式がありません。「銀行証明書」という言葉が、口座情報の証明、残高証明など、別の書類を指すことがあります。用途を明確にし、実際の証明文を読んでください。残高を証明する書類が、そのまま支払先の指示になるわけではありません。
古い許可証では、発行日と正確な名義を残します。過去の口座情報を説明できても、現在の確認を省く理由にはなりません。一方、該当地域での改革後に設立された仕入先を、旧式の企業許可証を新規発行してもらえないという理由だけで排除すべきでもありません。
ほかの組織形態では適用範囲に注意が必要です。人民銀行の照会用パスワード再設定に関する2021年の公開回答は、企業とそれ以外の組織を区別しています。買い手に仕入先のパスワード再設定を勧めるものではありません。企業口座のルールをすべての名義人に広げてはいけないことが分かります。
基本口座の項目を読む
下の公式空欄様式は簡潔です。名義人、銀行口座、銀行、代表者、基本口座の管理番号が別々の項目になっています。架空の口座番号を入れなくても、各欄の配置を理解できます。

| 中国語の項目 | 意味 | 照合する内容 |
|---|---|---|
| 账户名称 | 口座名義 | 名義人として記載された主体を、企業情報と取引資料に照合。 |
| 账户号码 | 銀行口座番号 | 所定の支払確認手続きで受領した口座情報。 |
| 开户银行 | 口座開設銀行 | その口座に関係する銀行・支店の情報。 |
| 法定代表人(单位负责人) | 法定代表者・責任者 | 書類の日付を考慮したうえで、記載された役割と氏名。 |
| 基本存款账户编号 | 基本預金口座の管理番号 | 受取口座番号とは区別して管理する、口座管理上の識別番号。 |
基本口座の管理番号を、そのまま受取人の口座番号欄に入力してはいけません。様式でも別の欄になっています。人民銀行の規則で新しい管理番号が置き換えるのは、従来の認可番号です。送金に使う銀行口座番号を置き換えるとはされていません。
企業のUSCCも、これらとは別の識別番号です。登記上の企業を照合するために使い、銀行のどちらの欄にも代用しません。表計算で「登録番号/口座番号」とまとめると、用途の異なる番号を混同しやすくなります。企業コード、銀行口座番号、書類の管理番号は別項目にしてください。
見慣れた様式でも日付を確認します。社名や代表者が変わっていれば、古い写しだけでは現在の確認に足りない場合があります。規則上、関係する変更には開設銀行での手続きが必要になり、新たな基本口座情報が発行される場合があります。古い画像を自分で直さず、仕入先に適切な現行書類を取得してもらいます。
今回の支払先口座を確認する
基本預金口座の書類に、企業の全口座が載っているとは限りません。人民銀行の制度では、ほかの決済口座区分も認められています。「基本口座は一つだけ」と「銀行口座は一つだけ」は同じ意味ではありません。
仮に、仕入先が国内の基本口座情報を送り、支払指示には別の受取口座を指定したとします。最初の書類にないだけで、二つ目の口座を虚偽と決めつけないでください。今回の支払いに使う口座を対象とする根拠を求め、送金経路は銀行担当者に確認します。
同時に、ある口座の書類を別口座の確認として使うこともできません。名義、口座番号、銀行、関係する通貨情報を支払指示と照合します。必要な項目が書類にない場合は未確認として記録し、記載がないことを一致と扱わないでください。
銀行名自体が、証明書や送金指示に大きく表示されることもあります。その行が受取人、受取銀行、中継銀行のどれを指すのか見分けます。銀行は商品を売る企業ではありません。様式が不明瞭だったり名称が省略されていたりする場合は、入力前に自分の銀行に読み方を確認してください。
企業名と書類を照合する
企業の比較は、仕入先の中国語正式名称とUSCCから始めます。企業検索で中国本土の企業を識別し、利用可能な登記情報を確認できます。名称やコードが営業許可証の画像にある場合は、営業許可証の照合から進められます。
結果が示す範囲を正確に保ちます。企業登記と一致しても、銀行証明書の真正性、口座の現在の状態、メール送信者が口座を管理する権限までは証明されません。金融書類を適切に読むための前提となる、企業の同一性を確認する作業です。
例えば、中国語の名義は売り手と同じでも、ラテン文字の支払指示では略称が使われることがあります。両名称を結びつける文書上の根拠を求めてください。英語のブランド名が似ているだけでは不十分ですが、句読点や語順の違いだけで別企業とも断定できません。
名義人が別法人なら、銀行受取人の確認ガイドへ進みます。そちらは受取人と売買取引の関係を扱います。本記事で書類の種類が分かっても、別会社への支払いが売り手への債務を履行することになるかまでは判断できません。
必要な資料を具体的に依頼する
どの口座について、何のために確認したいのかを伝えます。「銀行証明書」だけを求めると、基本口座情報、銀行の書簡、支払指示のどれが必要か、仕入先が推測することになります。例えば次のように依頼できます。
注文[注文番号]の支払先として指定する口座と、その名義人が分かる最新の銀行発行書類をご提供ください。貴社の基本預金口座か、別の受取方法かもお知らせください。支払指示に英語名を使用する場合は、中国語の登記主体との対応を示す資料をお願いします。指示内容は、従来の連絡経路で別途確認します。
経理担当者や受取銀行と相談して、依頼を調整してください。銀行が情報を出すには顧客の承認が必要な場合があり、発行できる書類もサービスによって異なります。仕入先にネットバンキングの認証情報、照会パスワード、不要な個人身分証を購買担当者へ渡すよう求めないでください。
過去の許可証を紛失した場合、人民銀行の2019年規則では、企業は古い許可証の再発行ではなく、開設銀行に基本口座情報の印刷を求められます。問題が旧式書類の要求だけなら、具体的な解決方法になります。
銀行の完全な送金情報は、閲覧を制限した支払ファイルで保管します。一般の仕入先確認メモでは、管理された書類を参照したり、番号の一部を伏せたりできます。明細を広く配布しても本人確認の精度は上がらず、取引履歴には無関係な機密情報も含まれます。
結果を正確に記録する
記録には、書類名、発行者、日付、照合した企業、対象口座を残し、一致した部分と未確認の部分を分けます。「企業名は登記と一致、指定受取口座の資料を確認、支払指示の独立確認は未完了」と書く方が、「銀行確認済み」より正確です。
必要な口座・支払いの確認は、決められた経路で完了してください。指示が変わった場合は、別の銀行情報変更時の手順を使います。見慣れたロゴや印章があるだけで、新しいPDFが承認済みの口座を自動的に置き換えるわけではありません。
これらの書類を見分ける目的は、適切な根拠を求めることです。廃止された旧許可証がないだけで仕入先を退けず、現在の口座情報書にも、その記載と出所が示す以上の意味を持たせないようにします。