中国の税務番号とVIES

中国の納税者識別番号と欧州のVAT登録を区別し、番号・請求書・VIESの結果がどの企業に属するかを確認します。

公開元: ChinaValidate公開日: 2026年10月25日最終更新日: 2026年10月25日

中国語の正式社名またはUSCCで検索し、取引先と一致する企業を選んでください。

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中国の税務番号とVIES

取引先から中国の税務番号が届きました。VIESに入力しようとしても中国を選べず、未登録の会社ではないかと不安になる。あるいは調達システムが欧州のVAT番号形式しか受け付けず、取引先情報を保存できない。そんな場面があります。

どちらも、その中国企業が架空であることの証拠にはなりません。まずどの国が発行した番号か、どの会社の番号か、何を確かめるための照会かを整理しましょう。中国本土企業の国内納税者識別番号と、EU加盟国で付与されたVAT登録番号は別の記録です。両方を持つ企業もありますが、一方をもう一方に変換することはできません。

本記事では、調達でよくある3つの場面を扱います。中国の番号しか提示されない場合、欧州のVAT登録もあると説明される場合、別会社から請求書が届く場合です。それぞれ確認すべき点が異なります。

受け取った番号の種類

統一社会信用コードを取得した中国の法人その他の組織では、18桁のUSCCが納税者識別番号としても使われます。これは国家税務総局の2015年第66号公告に基づくルールです。同公告は他の納税者区分も定めており、中国の税務番号がすべて18桁の企業コードという意味ではありません。

一方、EUのVAT識別番号は各加盟国の税務当局の制度に基づいて付与されます。形式は国ごとに異なり、複数国で事業を行う企業は複数の登録を必要とする場合があります。欧州委員会のVAT番号に関する説明では、各国の番号とその用途を紹介しています。

提示された情報 適した確認 なお確認が必要な点
中国語の正式名称とUSCC コードを中国本土の企業登記情報と照合する。 この会社が実際に今回の注文の売主か。
EU加盟国で発行されたVAT番号 正しい国と番号を選び、VIESまたは当該国の税務当局で確認する。 誰の登録で、その主体は取引にどう関わるか。
請求書・商業送り状 発行者と書類の種類を特定し、適切な確認方法を選ぶ。 書類が合意した取引内容を表しているか。

これらの確認は相互に補うものです。どれか一つで取引先、商品、購入時のVAT処理を全面的に承認できるわけではありません。

中国の番号だけがある場合

欧州の調達システムに中国本土のメーカーを登録する場面を考えます。登録フォームの必須項目が「VAT番号」となっており、VIESを自動照会します。メーカーは営業許可証とUSCCを提出しましたが、登録を終える前に入力エラーになりました。

最初に確認すべきはフォームの対象範囲です。VIESは該当する欧州の登録について各国のVATシステムから情報を取得するもので、世界中の企業や税務番号を検索する名簿ではありません。USCCを欧州VAT番号に変えるための「中国」選択肢はありません。国コードを付け足したり文字を削ったりしても、適切な番号にはなりません。

18桁のコード欄と国別接頭辞付きの欄を分けて示した2枚の番号票の模式図
有効な番号ではなく説明用の模式図です。1は中国の企業コード、2は別途取得した欧州の登録を表します。同じ取引先ファイルに両方を保存する場合も、発行元の国・地域を分けて記録します。

入力方法と企業名義を確認

  1. 元の番号を保存する。USCCを受領したとおりに、中国語の正式名称、判読できる営業許可証の写しとともに保存します。社内で識別しやすいよう、英語の商用名称を別欄に残してもかまいません。
  2. 域外取引先の登録方法を使う。EU域外の税務番号をどこに入力するか、調達システムの担当者に確認します。域外取引先の選択肢、専用の税務番号欄、承認済みの手動登録などが考えられます。エラーを回避するために番号を作り上げてはいけません。
  3. 中国本土の登記を確認する。正式名称またはUSCCを使い、中国の企業登記公示システムや企業情報サービスで検索します。見つかった主体を営業許可証と予定する売主に照合します。

中国語の項目名では、USCCを示す统一社会信用代码と、納税者識別番号を示す纳税人识别号を見分けると役立ちます。これらは元の欄を特定する手がかりです。翻訳時に、EUでVAT登録済みであるかのような説明に置き換えてはいけません。

USCC検証ツールでコードの構造を調べ、その後企業検索で会社を照会できます。計算上正しいコードでも、企業が実在することやメールの送信者に代表権があることは証明できません。登記との照合は別の作業です。

登録時のメモには「中国企業の主体を照合済み、国内納税者識別番号を保存済み、EUのVAT登録資料は未提出」のように具体的に記します。「VAT確認失敗」では、フォームの制約が企業の問題のように伝わってしまいます。

企業名が一致しないなら、単なる形式の問題として扱うのをやめ、取引先に説明を求めます。他社の営業許可証からコピーした番号は、形式が正しくても他社のものです。元資料から番号を探す方法は、中国企業の税務番号ガイドを参照してください。

欧州の登録もある場合

中国本土の取引先が、現地での販売などを理由にEU加盟国でもVAT登録していると説明することがあります。本社が中国にあるというだけで否定してはいけません。各国の規定により、国内に拠点を置かない事業者にも登録義務が生じる場合があります。アイルランド税務当局の案内はその公的な一例です。具体的な義務は国と事業内容によります。

発行国、正確なVAT番号、登録名義人の正式名称を求めます。名義人が中国本土の会社自身なのか、欧州子会社なのか、販売に関わる別企業なのかも確認します。グループ名、倉庫住所、営業担当者の署名だけでは主体を特定できません。

依頼文は簡潔で十分です。「VAT番号と発行国、その登録に紐づく正式名称・住所、および今回の注文を販売する会社の情報をお送りください。」名義が不明なままなら登録証明資料も求めます。これらの基本事項を確かめるために、取引先の税務アカウントやパスワードは必要ありません。

結果を正確に読み取る

VIES公式照会ページで正しい国を選び、実際の欧州VAT番号を入力します。国別接頭辞の入力指示に従い、付与された番号の内容を保ちます。何を確認したか同僚が追えるよう、結果と照会日を保存します。

結果 対応
有効 結果を保存し、名義人を提示された名称・住所と照合する。販売での役割も確認する。
無効 まず転記ミスと国の選択を確認する。登録や有効化の状況は取引先から税務当局へ確認してもらう。
サービス利用不可 システムエラーとして記録し、後で再試行する。通信障害を登録無効と記録しない。
名称・住所が未確認 企業が提示した情報を使い、関係する国の当局に確認を求める。

無効という結果には、番号が存在しない、登録が完了していない、EU域内取引用の有効化が済んでいないといった理由があります。更新の反映に時間がかかる場合もあります。EUのVIES案内に、これらの可能性と各国での確認方法が記載されています。未解決の結果は未解決として扱い、取引先の口頭保証で確認済みにしてはいけません。

有効という結果も、欧州子会社が中国本土の製造会社と同一であることを意味しません。特定の名義人について登録を確認した結果です。ブランドや所有者を共有していても、本土USCCと欧州VAT登録は別項目として管理します。

実際の売主を明確にする

仮に、中国の製造会社と欧州の販売子会社を持つ取引先があるとします。子会社のVAT番号は有効でしたが、見積書には中国会社の名前があります。注文を承認する前に、契約を締結する主体、請求書を発行する主体、代金を受け取る主体を確認します。

子会社が販売する取引かもしれませんし、中国会社が販売し別の主体が物流を支援する取引かもしれません。両者は異なる仕組みです。一つの主体についてVIESが有効を返しても、当事者の合意内容までは決まりません。検証しやすい会社を選ぶのではなく、整合した書類を揃えましょう。

請求書の会社名が異なる場合

三つ目は、確認が終わったと思った後に起きる場面です。買主は取引先のUSCCまたは欧州VAT登録を確認したのに、別名義の請求書を受け取りました。担当者も商品も同じなので、以前の結果をそのまま使いたくなるかもしれません。

そこで書類を並べ、契約上の売主、請求書発行者、税務番号の名義人、支払先を比較します。ロゴではなく、正式名称と識別番号で照合してください。二つの英語名が同じ中国語名の訳であることもあれば、似たブランド名が全く別の法人を示すこともあります。

契約書、請求書、支払案内にA、A、Bの識別記号を付け、3枚目の名義が異なることを示す模式図
仮想例の比較です。1は契約書、2は請求書、3は支払案内です。Bの名義が異なるため、受取人の役割について説明が必要です。この差異だけで詐欺とは断定できません。

事前に説明された販売代理店、仲介者、グループ会社など、名前の違いに合理的な理由がある場合もあります。取引の仕組みを書面で説明してもらい、資料が裏付けているかを判断します。「同じグループです」は確認の手がかりにすぎず、納品や返金義務を負う相手の特定には代えられません。

書類の種類も分けて扱います。中国の税務発票、輸出用の商業送り状、欧州VAT請求書は用途が異なります。中国発票の検証結果でEUのVAT登録を確認することはできません。商業送り状は輸出取引の資料となっても、中国の発票システムで照会できる税務発票とは限りません。

対応する中国の税務発票であれば、発票検証で記録内容の照合を進められます。発行者を調査済みの会社と比較してください。商業送り状しかない場合は、対象外の検証ツールに無理に入力せず、発行者、注文内容、取引の裏付け資料を確認します。

支払案内も別途照合が必要です。請求書上の番号がすべて検証を通っても、説明のない受取人変更は未解決です。変更は独立して確立した連絡経路で確認し、自社の調達・銀行手続きで必要な資料を取得します。

使える取引先記録を残す

確認済みの証拠と未解決事項を分けた簡潔な記録を残します。単一の緑色の「確認済み」表示より、次の項目の方が実務に役立ちます。

  • 中国本土の主体:中国語の正式名称、USCC、企業登記との照合元、照会日。
  • 欧州登録を主張する場合:発行国、正確な番号、名義人、保存した照会結果。
  • 取引当事者:契約上の売主、請求書発行者、受取人、それぞれの関係を示す書類。
  • 未解決事項:不足している具体的な証拠と、その確認担当者。

例えば「中国本土の主体は照合済み。欧州番号は説明された販売会社のもの。改訂契約の売主は未確認」と残せば、次の確認者に残作業が伝わります。「取引先確認済み」だけでは区別が隠れ、前の取引の資料で別の請求書を承認してしまうおそれがあります。

継続注文では、売主、番号の発行国、請求書発行者、銀行受取人の変更を確認します。変更のない企業記録の再利用は省力化になりますが、新しい主体に古い結果を当てはめてはいけません。フォルダ内の全資料を一つの確認日でまとめず、各照会日をその裏付けとなる事実に紐づけます。

最後に、番号の検証だけで輸入VAT、リバースチャージ、免税、仕入税額控除の可否は決まりません。取引内容と適用ルールに左右されます。実際の当事者と書類を財務・税務担当者へ渡してください。ChinaValidateの企業・発票ツールは中国本土の資料確認に役立ちます。欧州登録についてはVIESと各国税務当局を利用します。