WeChatで知り合った中国仕入先の確認
WeChatの担当者と中国本土の企業の関係を確かめ、担当業務や注文の変更内容を実際の売主と結び付けて記録します。

新しい仕入先はWeChatですぐに返事をくれ、商品写真を送り、ビデオ通話で作業場を見せるとも言っています。親しみやすい会話でも、その提案を行っている中国本土の企業はどこか、相手がその企業を代表して話せる立場なのかは、別に確認する必要があります。
まず、このつながりを確かめましょう。WeChatのニックネームは会話の相手のアカウント名であり、企業登記を調べるための識別情報ではありません。営業許可証は登記主体を示しますが、その画像を持っているだけでは、送信者がそこで働いているとは証明できません。役に立つ確認とは、アカウント、担当者、企業、今回の注文を結び付けることです。
通常の商談を尋問のようにする必要はありません。必要な企業情報を絞って依頼し、独立した情報源と照合したうえで、別に得た企業の連絡経路から担当者を確認します。
アカウントの種類を見分ける
最初に、何を見ているのかを整理します。個人アカウント、WeComの連絡先、公式アカウントは、いずれも取引の中で使われますが、得られる情報は異なります。使い慣れたアプリの中に表示されるからといって、同じ意味を与えないでください。
TencentはWeixinとWeChatを、別々でありながら相互に利用できるサービスと説明しています。Weixinは中国本土向け、WeChatはそれ以外の地域の利用者向けです。したがって、海外の買い手に表示されるサービス名だけでは、仕入先の登記された法域は分かりません。
| 連絡先の種類 | 確認の出発点になる情報 | 引き続き確認すること |
|---|---|---|
| 個人のチャットアカウント | 実際に連絡したアカウントと、その会話記録。 | 登記された売主と、担当者との関係。 |
| WeComの連絡先 | 連絡先に表示されている組織情報。 | 表示名の背後にある正式な法人と、この注文での担当者の役割。 |
| 公式アカウント | 公開されている情報と、プロフィールで確認できる運営主体の情報。 | 運営主体が予定する売主なのか、ブランド所有者なのか、別の関係者なのか。 |
WeComはTencentの企業向けコミュニケーション製品で、企業の従業員とWeixinを使う顧客とのやり取りに対応しています。仕事上の連絡先を理解する材料にはなりますが、表示された組織名は、調査対象の正式な中国語の法人情報と結び付ける必要があります。
公式アカウントは情報発信やサービス提供のための窓口です。Tencentは購読型とサービス型のアカウントを説明し、個人や組織がこの製品を通じて情報を発信できるとしています。「公式アカウント」という呼び名だけで、その運営者があなたの仕入先だと証明されるわけではありません。
実際に閲覧できる情報を確認してください。運営主体の正式名称が表示されていれば、そのまま保存します。略称しか見えなければ、正式な登記名称を依頼します。機能や表示項目は異なる場合があるため、項目がないときは具体的に尋ね、主体を推測で埋めないことが大切です。
企業の正式情報を依頼する
見積書と注文書の売主として、どの企業が記載されるかを尋ねます。中国本土の会社であれば、正式な中国語の登記名称と統一社会信用コードを入手します。補足資料として鮮明な営業許可証の写しを依頼し、画像と比較できるよう、名称とコードも文字で送ってもらいます。
英語のブランド名を中国語に訳し直すのではなく、正式名称を使ってください。許可証では名称の欄が名称、コードの欄が统一社会信用代码と表示されています。コードは18文字です。WeChat ID、電話番号、グループチャット名では代用できません。

依頼は簡潔で構いません。「今回の注文の売主となる企業の正式な中国語登記名称、信用コード、営業許可証と、御社でのご担当業務をお知らせください。この取引内容を確認できる企業の連絡先もお願いします。」関係性に合わせて表現を調整し、回答を保存します。
商社や代理業者が関わる場合も、率直に尋ねましょう。相手は製造会社の代理で販売しているのかもしれませんし、購買サービスや輸出企業の担当者かもしれません。それぞれ異なる取引形態であり、直ちに不誠実だという意味ではありません。注文には実際の売主と責任分担を明記します。
この企業確認を始めるために、営業担当者の個人的な身分証番号を求める必要はありません。出発点として必要なのは企業の正式情報と担当者の役割です。個人書類を集めても、見積書の売主と許可証の企業が違う理由は解決しません。
企業と担当者をそれぞれ確認する
中国語の名称または信用コードを、国家企業信用情報公示システムや企業情報サービスで検索します。名称、コード、現在の登記状態などを、提出された許可証と照合してください。確認した資料には検索日も添えて保存します。
中国の市場主体登記に関する規則には、営業許可証の記載事項が定められています。企業を識別する根拠になりますが、その会社の営業担当者一覧が得られるわけではなく、特定のチャットアカウントに交渉権限があることを証明するものでもありません。
名称やコードがある場合は、ChinaValidateの企業検索を利用できます。書類画像から始める場合は、営業許可証の確認ツールが企業情報の読み取りや照合に役立ちます。画像が不鮮明だったり切り取られていたりするときは、特に抽出文字を原本と比較してください。
続いて、新しいチャットとは別に得た連絡経路で、担当者を確認します。最初に仕入先を知った取引プラットフォーム上の既存の会話、確認済みの企業担当者、企業の番号だと分かっている電話などが候補です。未確認の同じ人物から教わった別の番号に質問するだけでは、独立した確認にはなりません。
- やり取りを特定する。担当者の名前やアカウント情報、受け取った見積書を企業側に伝えます。
- 役割を確認する。その人が予定する注文を担当しているか、変更を承認するのは誰かを尋ねます。
- 売主を明らかにする。担当者、ブランド、製造会社の名称が異なる場合、どの企業が販売するのかを確認します。
- 回答を残す。関係を確認した人、連絡経路、確認日を記録します。
新しい企業サイトやメールアドレスを調べる場合は、別の仕入先のウェブサイト・メール確認ガイドを参照してください。目的は信頼できる企業の連絡経路を確立することであり、同じロゴのあるサイトをすべて確認済みと扱うことではありません。
写真と通話で具体的に確かめる
作業場の動画は、商品に必要な作業を話し合う際に役立ちます。縫製をどこで行うか、材料をどう裁断するか、完成品をどう検査するかなど、具体的な作業上の疑問に答えるものにしましょう。重要な工程が分からないまま機械をざっと映しても、得られる情報は限られます。

例えば布製ポーチを注文する買い手なら、使用予定の生地を承認済みサンプルの隣に置いてもらい、ファスナーや縫い目の仕上げを話し合えます。質問は仕様と結び付けてください。有用なのは示された工程と回答であって、部屋の見栄えではありません。
施設を運営する主体と、外注する工程を尋ねます。売主が商社であれば、訪問や通話の相手の工場が別の製造会社に属することもあります。見せられる建物や機械をすべてその企業が所有していると考えず、関係を記録してください。
商品投稿の長い履歴は会話の背景になりますが、転載画像や古い投稿もあり得ます。一方、投稿が見えないことも架空企業の証拠ではありません。公開範囲の設定は人によって違うからです。SNSの活動量を登記や信頼性の点数に置き換えないようにします。
商品や注文の性質から検査が必要であれば、施設や貨物に適した確認を別途手配します。通話はその準備に役立ちますが、対象の現場や出荷品に対して合意した検査を行うのと同じ観察結果は得られません。
変更内容を注文に反映する
チャットはサンプルの相談に便利ですが、重要な変更が写真、音声、短い返事の間に埋もれることがあります。合意後は商品、仕様、数量、価格の基準、予定する売主を簡潔にまとめ、企業の担当者に既定の注文手順で確認してもらいます。
架空の例を考えてみます。Alexがある会社名でポーチの見積書を送り、その後、別の売主を使うよう求める同僚を会話に加えました。新しい担当者が実際の注文を引き継いでいる可能性はあります。それでも、両社の名称を示し、どちらが販売責任を負うかを説明する必要があります。
以前の見積書は上書きせず残してください。すでに関係を確認した企業担当者に新しい取り決めを確認し、責任を持って発行する主体から更新書類を受け取ります。「同じグループです」というメッセージだけでは、契約上の売主も変更理由も分かりません。
銀行情報の変更は別に確認します。オーストラリア・サイバーセキュリティ・センターのビジネスメール詐欺対策ガイドは、重要な依頼を独立した経路で確認するよう勧めています。チャットで突然届く支払指示にもこの確認原則を適用し、企業の比較には銀行受取人の確認ガイドを利用してください。
原本ファイルと必要な会話の前後関係を保存します。「はい」だけを切り取ったスクリーンショットでは、何に同意したのか分かりません。音声メッセージで注文条件が変わった場合は、後で通話内容を思い出すことに頼らず、その条件を文字で確認してもらいます。
担当者の記録を明確に残す
結論は具体的にします。このアカウントをこの担当者が連絡に使い、この役割を企業が確認し、この登記主体が予定する売主である、という形です。購買記録に一律で「WeChatで確認済み」と書くより役立ちます。
企業の実在は確認できても担当者との関係が確認できないなら、その違いを明記します。担当者は確認済みでも売主が変わったなら、新しい主体と役割を確認してください。これまでの作業が無駄になるのではなく、どのつながりが未解決なのかが明らかになります。
最初の企業確認では、中国語の正式名称と信用コードを入手し、中国本土の企業を検索して、結果を見積書と担当者の確認記録に添えておきます。ニックネーム、許可証画像、親しみやすい通話だけに頼らず、記録に裏付けられた企業情報を基に商談を続けられます。