淘宝と天猫:販売者の確認方法
淘宝・天猫の店舗区分を読み解き、運営会社を確認。企業登記とブランドの授権を分けて調べる方法を解説します。

カバー画像:ネットショッピングと異なる店構えを表現したAI生成イラストです。実際の淘宝・天猫の店舗ではありません。
淘宝のアプリで陶器のマグカップを見つけたとします。一方は小さな生活雑貨店の商品、もう一方には天猫の表示とブランド名が付いています。ところが後者の店舗情報を開くと、登記された会社はまた別の名前です。
淘宝と天猫を比較するうえで役立つのは、こうした違いを整理することです。プラットフォーム、店舗名、運営事業者、商品のブランドは、それぞれ別の情報です。その関係が分かれば、見慣れたロゴを会社の身元と取り違えずに販売者を選べます。
このガイドは、中国本土で登記された販売者を対象としています。店舗の表示、その裏付けとなる書類、店舗と運営会社を結び付ける簡単な企業確認を解説します。情報を集める際は、中国語の正式名称を残してください。ブラウザーの英語翻訳は内容を読む際に便利ですが、登記情報との照合には原文のほうが確実です。
同じアプリ、異なる販売者
淘宝と天猫は、同じショッピングの仕組みの中にあります。Alibabaの淘宝の紹介によると、淘宝アプリから淘宝の店舗、天猫の旗艦店、その他の購入チャネルを利用できます。したがって、淘宝アプリを開いたというだけでは、どの種類の販売者から購入するのかは分かりません。
まず、商品を出品している個別の店舗を確認します。店舗の種類と事業者情報を併せて読んでください。検索結果、広告バナー、店舗の資格情報ページは、それぞれ目的が異なります。運営者の身元を確認する場所は、資格情報のページです。
| 表示されているもの | 確認する内容 | 手掛かりとなる資料 |
|---|---|---|
| 淘宝の店舗 | 登記済みの事業者か、適用される登記免除規定に基づく個人の販売者か。 | 店舗の事業者情報、または登記免除に関する表示。 |
| 企業店舗の表示 | その店舗を運営している登記済みの事業者。 | 開示された中国語名称、営業許可証、企業登記情報。 |
| 天猫の旗艦店 | 運営者の身元と、掲げているブランドとの関係。 | 事業資格情報に加え、ブランド自身が掲載する店舗リンクや関連する許諾資料。 |
| 専門店・複数ブランドの専門店 | 運営者と、その表示が対象とするブランドや商品。 | 店舗の資格情報と、該当ブランドに結び付く資料。 |
この表は、誠実な販売者と不誠実な販売者を順位付けするものではなく、表示を読み解くためのものです。小規模な登記済み店舗でも、運営者が明確なことはあります。立派なブランドの店構えでも、実際の運営者との照合は必要です。商品の状態、真正性、配送、購入後の対応は、それぞれ別の資料で確かめます。
店舗区分を読み解く
中国国内向けの天猫の店舗を見る際は、次の中国語を押さえておくと役立ちます。
- 旗舰店 — 旗艦店。 ブランドを前面に出した店舗です。運営者がブランドを保有しているのか、許諾を受けて運営しているのかを確認します。
- 专卖店 — 許諾を受けたブランド専門店。 特定ブランドとの関係を掲げる店舗です。その関係と併せて、販売事業者を確認します。
- 专营店 — 複数ブランドを扱う専門店。 店舗全体の見せ方を全商品の裏付けとせず、購入予定のブランドについて確認します。
TMO Groupによる2025年の国内向け天猫の店舗区分の解説では、自社ブランドまたは独占的な許諾に基づく旗艦店と、専門店・複数ブランド型の店舗が説明されています。店舗を読み解くためには有用な区別です。詳しい出店条件は、その時点のプラットフォームの規則や商品カテゴリーによって異なります。
実務上の要点は明確です。旗艦店という名称だけでは、どの会社が運営しているかは分かりません。 ブランド所有者と、許諾を受けた運営会社の正式名称が異なることもあります。企業登記の検索で確認できるのは、開示された運営者の登記情報であり、ブランドの許諾条件ではありません。
どこに表示された主張なのかも確認してください。プラットフォームが表示する店舗区分、販売者がバナー内に書き込んだ表現、ブランド自身が掲載する店舗リンクでは、資料としての性質が異なります。ブランドの公式サイトに天猫店舗へのリンクがあれば、開いて、見つけた店舗と同じリンク先かを照合します。名前が似ているだけでは、同じ店舗とはいえません。
メモには店舗URLも残しておきます。「公式」といった翻訳後の言葉だけを保存すると、どのページがそう主張していたのか分からなくなるためです。開示された事業者が中国本土以外にある場合は、本土の企業検索に無理に当てはめず、該当する法域の登記情報を使ってください。
店舗を運営する会社
2026年3月21日更新の天猫マーチャントサービス契約は、出店者と天猫プラットフォームを提供する会社を区別しています。出店に関する条項でも、事業資格、ブランドの許諾、その他の出店者情報をそれぞれ扱っています。

法的情報へのリンクを開くとき、この区別が重要になります。プラットフォーム共通のフッターにある営業許可証は、ウェブサイトの運営会社のものかもしれません。カートに入れたマグカップの販売者のものとは限りません。個別の店舗に戻り、その店舗自身の事業者情報を探してください。
企业资质(事業資格)、资质证照(許認可・資格書類)、营业执照(営業許可証)などの表示が手掛かりになります。アプリとパソコン用サイトで変わる可能性のあるメニュー位置を覚えるより、こうした項目名を知っておくほうが役立ちます。
深圳市弁護士協会の2024年のプラットフォーム証拠収集ガイド、第6.2.8節には、淘宝・天猫の資格情報リンクから店舗の営業許可証を確認する手順が記載されています。当時の手順であり、現在のボタン配置を保証するものではありません。ログインが必要な場合は、プラットフォームの通常の手続きでアクセスします。それでも確認できない場合は、店舗のメッセージ機能で、資格情報のページや営業許可証を販売者に依頼してください。
確認に必要な情報だけを集めます。店舗URL、開示された事業者名、統一社会信用コード、情報を閲覧した日付です。関連する開示情報は、読める状態で保存してください。登記済み企業と公開情報を照合するために、個人の身分証明書を集める必要はありません。
ブランドと会社名が異なる場合
架空の生活雑貨ブランド「Willow Cup」を例に考えます。天猫の旗艦店が開示する運営者は「Hangzhou Harbor Homeware Co., Ltd.」です。名前の違いは、確認すべき点を示すものであり、それだけで店舗を評価する結論にはなりません。
確認は二つに分けます。まず、開示された運営者を中国本土の登記情報と照合します。次に、その事業者がなぜブランド名を掲げて店舗を運営できるのかを確かめます。ブランドは、その会社自身、関連会社、あるいは許諾した別の事業者が所有している可能性があります。それぞれの関係に合った裏付けが必要です。
書類を見ると、この違いが分かりやすくなります。天猫の旧版の資格資料からリンクされている許諾書の空欄ひな形には、当事者を記入する別々の欄があります。以下の小さな抜粋は読み方を示すためのもので、実在する店舗への許諾書ではありません。

Willow Cupの例では、次の資料を結び付けて確認します。
- 店舗の開示情報で、実際に訪問した店舗の運営者がHangzhou Harbor Homewareであることを確認します。
- 企業登記情報で、運営者の中国語名称と信用コードを照合します。
- ブランドに関する資料で、その運営者とWillow Cup、該当する店舗または販売活動との関係を確かめます。
販売者から許諾書を受け取った場合は、誰が誰に許諾したのか、どのブランドや活動が対象か、有効期間はいつまでかを読みます。許諾先が別の会社なら、その書類では当該運営者の権限を確認できません。対象チャネルが異なる場合や期限が切れている場合も、確認が埋まらない部分が残ります。詳しくはブランド許諾の確認ガイドで解説しています。
結論は、確認できた範囲に絞ると役立ちます。「会社の身元は一致したが、主張しているブランドとの関係は追加確認が必要」と言える場合もあります。企業検索が完了するたびに全商品が本物だとみなすより、正確で有用な判断です。
個人店舗と公開情報
個人店舗は、確認の出発点が異なります。中国の電子商取引法第10条・第15条は、市場主体の登記について一定の免除を設け、営業許可証の情報または該当する免除事由の開示を求めています。そのため、営業許可証がないことだけで、偽の店舗だと判断することはできません。
2025年改正のネット取引に関する規則では、登記済み事業者が開示する情報と、要件を満たす未登記の販売者が行う表示を区別しています。営業許可証を持つ個人事業体である个体工商户も、登記免除に基づいて活動する個人とは異なります。
購入者が次に何をするかは、提示されている資料によって変わります。営業許可証があるなら、記載された事業者名と種類を控えます。免除に関する表示があるなら、検索用の会社名を勝手に想定せず、その表示を読みます。店舗が個人店舗を名乗っているだけでは、免除要件をすべて満たすことにはなりません。
商品ページ、注文条件、販売者の対応、利用できるプラットフォーム上の保護制度は、引き続き検討できます。自社の調達規程で、登記済みの会社からの仕入れや特定の請求書類が必要なら、注文前に販売者に確認してください。自社の購買手続きに合わない店舗であっても、それだけで不正があるとはいえません。
登記情報を簡潔に確認
店舗が中国本土の登記済み会社を開示している場合は、中国語の正式名称または18桁の統一社会信用コードで検索します。結果の身元情報を店舗の開示内容と照合し、登記状態や、関連する旧社名も確認してください。公式情報を調べる詳しい手順は、中国企業の登記情報検索ガイドをご覧ください。
ChinaValidateの企業検索では、開示された事業者を調べられます。販売者から営業許可証の画像を受け取った場合は、営業許可証の照合ツールで会社情報の読み取りと比較を補助できます。検索結果と併せて、店舗が開示した原資料も保存してください。企業検索だけでは、特定の淘宝アカウントを誰が管理しているかを独立して確認できません。
結果が見つからない、または予想と違う場合は、判断する前に元の資料へ戻ります。途中で切れたコード、翻訳された会社名、法域の取り違えによって、検索先がずれることがあります。鮮明な書類や中国語の原文を依頼し、その確認をやり直してください。もっともらしい名前だからという理由で、似た別会社を選ばないことが大切です。
販売者を選び、資料を残す
最初の二つのマグカップに戻りましょう。比較の軸は、「淘宝か天猫か」より具体的になっています。一方の店舗では、どの種類の販売者が開示され、どんな資料があるかが分かります。ブランド店舗では、運営者を特定し、手元の資料で確認できる範囲でブランドとの関係を調べています。
2026年6月2日施行の淘宝販売者契約は、購入者と販売者を注文の当事者と定めています。また、店舗運営者を変更するための所定の手続きも設けています。古いスクリーンショットが、その後の購入時の販売者も示していると決め付けず、該当する注文と日付にひも付けて事業者情報を保存してください。
注文記録と一緒に、商品ページ、正確な店舗リンク、関連する販売者の回答を保存します。ブランドに関する主張が重要なら、ブランド自身の店舗リンクや確認した資料も残します。請求書類が必要な場合は、支払い前に発行事業者と必要な書類を確認してください。注文確認書と中国の税務上の発票は、用途が異なります。
少額の購入ごとに分厚い報告書を用意する必要はありません。販売者を特定したいのか、ブランドに関する主張を確かめたいのか、業務上の購買要件を満たしたいのか。必要な判断から始めてください。店舗区分は次に探す資料の手掛かりとなり、開示された運営者は、調べるべき中国本土の事業者を示してくれます。